第70章

藤田は気まずそうに笑った。

「海人、ワシはお前ら兄弟を再会させてやりたいだけなんじゃ。弟が外で一人なんて危険じゃろう。この島に連れてくれば、お前の話し相手にもなるしな」

夏目海人は澄んだ瞳で藤田を見つめ、極めて真剣な面持ちで告げた。

「藤田、俺の弟に手を出そうとするな。あいつを島に呼ぶのは反対だ」

図星を突かれ、藤田は苦笑いした。

「ふと思いついただけじゃ。探さないなら探さないで構わん。ただ心配なだけじゃよ。あんな幼い子が外を彷徨っているなんて、あまりに可哀想じゃろうて」

「俺の弟に手を出した奴の方が、よっぽど可哀想なことになる」

「どういう意味じゃ?」

夏目海人はそれ以上語...

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